今回はいよいよ私のホームである上野動物園のゴリラ達を紹介したいと思います。
上野にはシルバーバックのハオコを筆頭に大人3頭、子供3頭の計6頭が暮らしています。
まずは大人編からGo~(^^)/
ハオコ~上野の頼れるシルバーバック
ハオコはオーストラリアのタロンガ動物園から2007年に13歳で来園しました。(ちなみに生まれはオランダ)
その後、立派なシルバーバックとなり上野の頼れる父ちゃんとして皆をまとめています。
とにかく大きくてなんと200kg越えの体重は一般的なシルバーバックの中でも大きい方。
皆、ハオコを見ると「でけぇ~!」「おっきぃ~!」と声を上げます。
このハオコ、どっしりとした風貌ではありますがとてもお茶目で可愛いのです。
そして私が今まで会ったゴリラの中で一番、実は着ぐるみを着た人間なのではと思っているほど人間ぽいゴリラなのです。
なんだろう、人間ぽい行動というか、その行動の裏にある感情がすごく分かりやすいというか・・・。
そしてとても頼れる父ちゃんなんだけれど、時に他の家族も「やれやれ、また始まったよ。」みたいな感じになる場面もあり、強いて言えば「昭和の頑固親父」的な感じでしょうか。よく来園者からも「お父さんみたい~!!」って言われています。本人はいばっているつもりなのにどことなくお茶目でコミカル、とても分かりやすいのです。
そして何と言っても印象的なのは目。彼の目は人間そのものだといつも思います。
お茶目な反面、その人間ぽい目の奥には何か深遠さも時に感じられる非常に魅力的なハオコです。
ちなみにイケメンゴリラとして有名な名古屋の東山動物園のシャバーニの実のお兄ちゃんでもあり、一緒に来日しました。
さらには「ハオコ」って変な名前のようにも思えますが実は「ハンス・オットー・コフ」という高貴な匂いが漂う名前が正式なんだとか・・・ぷぷぷ・・・ごめん、ハオコ・・・ぷぷぷ(^_^;)
モモコ~上野の誇る肝っ玉母ちゃん
モモコはスペイン生まれで最初は千葉市動物園に来園、その後千葉と上野を移動して今は上野でどっしりと貴重な日本生まれのゴリラを産み育てています。
私はいつも「モモコ姉様」とお呼びしておりまして、なんなら「モモコ姐様」の方がふさわしいお方です。
とにかくなんでしょうか、独特のオーラがあり小柄な体躯ながら眼光するどく時にじーっと人にガンを飛ばしてきます。
私も何度か経験がありますがもう見据えられると身動き取れずフリーズなのであります。
最初に千葉から上野に来たときもその道中に疲れも見せず怖がりもせず移動のオリの中から余裕で周りの人間を見渡していたそうです。
最初に先輩女子ゴリラの中に放たれた時も新入りながらまったく物怖じせず、他の女子ゴリラから「新入りのくせに生意気だわ!!」と反感を買ったそうですが全く動じなかった所かは向かってって行ったそうです。
そんなモモコ姉様なので最初に妊娠した時はちゃんと子育て出来るか周りの人はとても心配したそうですが、スペインの動物園で子育てを見ていたのでしょうか、それとも生まれ持っての母性なのでしょうかちゃんと子育てをするどころかその後も順調に妊娠出産を繰り返して5頭の赤ちゃんを産んでいます、(うち1頭は死産)
ちなみに最初の子は京都市動物園のシルバーバックのモモタロウでモモタロウには2頭の子供がいるのでおばあちゃんでもあります。
そんな孫もいるモモコ姉様ですが現在もなんと妊娠中で6月に出産予定です。
ちなみにとんでもなく余談な話なのですが、モモコ姉様はとても豊満な胸をお持ちでしてそこも私にとっては何とも魅力的なのです。(ちなみにゴリラにもペチャパイタイプとボインタイプとおりますです。)
今は6月がとても待ち遠しく、とにかく母子ともに健康な出産を祈る毎日です。
トト~上野の心優しい美しきおばちゃま
トトさんは1999年にゴリラの繁殖計画のために日本平動物園から来園しました。
生まれは外国で1歳位の時に日本に来たようです。
子供はいませんが上野の子供達はこのトトおばちゃんが大好きで次女のモモカなどはあまりトトさんにべったりなので来園者には親子と間違われるほど。
モモコ姉様がどちらかという姉御肌でドライなので子供達はトトおばちゃんにかまってかまってとちょっかい出したりからんだりするのですがもうお歳なのもあるせいか少々面倒くさい素振りをたまに見せつつも邪険にすることなく受け入れています。
トトさんはとても瞳がきれいなゴリラで大変な美人さんです。実は上野に来るまでは幼少期からゴロンというオスのゴリラと共に優しい男性の飼育員さんに育てられてきました。その飼育員さんの書いた本を私も読んだ事がありますがとても愛情深くゴリラ達に接し、そして彼らと共にご自分も歳を重ねた日々が書かれていてとても感動しました。今でもたまに読み返しますが絶版となっており私の宝物のひとつです。そしてトトさんは上野に来たわけですが残されたゴロンの話も涙なしでは語れません。いつかここでご紹介できたらなと思います。
そんなトトさんは日本平動物園を離れた時はすでに中年になっていた優しくお世話してくれたその男性飼育員さんを忘れる事が出来ないようで今でも中年の男性を見つけるとその飼育員さんではないかとジッと見る事があるそうです。
ちょっぴり切なくなるエピソードです。
以上が上野の大人達です。
どうでしょうか?何だかとても私達に身近な存在に思えませんか?
ゴリラも人間も、霊長目ヒト科で、前にも書きましたがDNAが2%位しか違いません。
見た目など多くの違いがあるように思えますが、実は想像以上に共通したものが遺伝子レバルに刻み込まれていると言えます。よくゴリラなどの類人猿を「進化の隣人」と言いますがまさに隣人なのです。
実はこの後にどこかのタイミングで度々ご紹介すると思いますがゴリラの世界も中々にドラマチックで韓流ドラマも真っ青な様々なドラマやまさに私達と同じような感情で彩られた世界に生きているのです。
でも私が思うに私達人間よりその感情はシンプルでストレート、もちろん駆け引きなどもありますがそれすらシンプルなのです。私達人間はそういう本来シンプルな感情を必要以上に飾り立てたりごまかしたり脚色したりしてこじらせているような気がしてなりません。そんな所からも学ぶべき事はたくさんあるように思えるのです。
とまあ小難しい事は置いておいて、まずは大人のメンバーの人となり(?)を知っただけでもゴリラウオッチングが格段に面白くなったはずです!
さぁ、次回はいよいよ子供達の紹介になりますよ~!お楽しみに!!ウホッ🦍